屋根工事と瓦の修理について

日本特有の屋根としてよく見られる屋根材といえば、「瓦(かわら)」ですよね。私どもは、瓦は重厚さと高級感を併せもつ、素敵な屋根材だと考えています。

従来の日本家屋は、瓦屋根に土壁・漆喰が一般的でした。今でも瓦屋根のお宅を目にする機会は多いのですが、新築で瓦屋根というお宅は、あまり見かけなくなったように思います。

おそらく「瓦屋根=重い」というイメージと、屋根が重いと建物が倒壊しやすいといった情報が出回ったこともあることから、避けられてしまっているのではないかと思います。実際のところ、瓦の重さが原因で倒壊することは、ほとんどないともいわれています。

昭和中期頃までに建てられた日本家屋の瓦屋根には、「土葺き工法」が用いられていました。土葺き工法とは、野地板の上に防水性のある木の皮や防水シートを敷き、その上に大量の土を盛って瓦を固定する方法です。このため瓦1枚あたりの重量が燻し瓦で2.6kgと軽量であっても、1平米あたりの重量が約70kgにもなってしまっていました。

1981年に耐震基準が見直されたことがきっかけとなり、屋根の軽量化が進みました。なお、新基準の耐震補強を施した建物は、土葺き工法の瓦屋根であっても倒壊しなかったという耐震実験結果があります。現在では、軽量化された屋根にしても建物に強度がなければ、倒壊の可能性があるという認識も広まりつつあります。

耐震基準が変更された影響もあってか、現在では土葺き工法による瓦屋根である場合、別の工法による瓦屋根に変更するよう推奨されています。

土葺き工法の他に、引掛け桟瓦葺き工法、縦桟ビス止め工法(から葺引掛縦桟工法)、本葺きSS工法などがあります。一般社団法人 全日本瓦工事業連盟が提案するガイドライン工法(耐震耐風工法)による施工は、耐震実験による安全が確認されています。

瓦自体の価格は、他の屋根材と比べると高価です。反面、瓦そのものの耐久性は、他の屋根材より長いのが特徴です。しかしながら、メンテナンスフリーというわけにはまいりません。瓦やその他の屋根材の下にある防水層は、経年劣化を起こしますので、いずれにしてもメンテナンスを行う必要があります。また、破損した瓦は、パテなどで修理を施すことが可能ですが、耐久性は低くなっていますので、交換することをお勧めしています。

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