エアコンの室外機やダクトのカバー、再設置する場合の流れと費用

エアコンの室外機やダクトのカバー、再設置する場合の流れと費用

今ではエアコンで室内環境を整えるのが必須ですね。

「室外機の音が気になる」

「室外機の風のことでお隣から苦情があった」

「リフォームで間取り変更をしようと思っているけど、エアコンは移動できる?」

いろいろな事情がありますが、エアコンや室外機を移動したいというご相談もよくいただくことがあります。

「エアコンを移動するにはどれくらい費用がかかるのだろう?」

「どのような手順でエアコンを移設するの?」

などなどいろいろな疑問がありますよね?

そこで本日はエアコンや室外機、ダクトカバーなど一式を再設置する流れやその工事にかかる費用などについて解説します!

目次

エアコンの室外機を移動するにはどうすればいい?

エアコンの室外機やダクトのカバー、再設置する場合の流れと費用

エアコンを移動する場合は室外機も移動する必要がありますし、専用のコンセントも必要です。

室内機と室外機の距離が遠くなるのなら配管の延長が必要になり、もし、配管が劣化していれば再利用が難しいですから交換も検討しなければいけません。

エアコンや室外機を移動するにはこのようなポイントを押さえておくことが大切です。

・エアコン(室内機)を移動するには室外機の移動も必要
・室内機と室外機の距離が遠くなるなら配管を延長させる必要がある
・配管が劣化していれば交換が必要

エアコンの移設を簡単に説明するとこのような流れになります。

【エアコン移設の流れ】
1:エアコンの動作確認(強制冷房)
2:ポンプダウンで冷媒ガスを回収
3:リモコンでエアコンの電源を切る
4:冷媒ガスの回収確認
5:室外機を取り外す
6:室内機を取り外す
7:室内機を移設箇所に設置
8:冷媒菅の加工と室外機の設置
9:冷媒ガスを開放
10:試運転

流れだとこんな感じですが、冷媒ガスの回収方法など、より専門的な施工方法を押さえる必要がありますので、このことはもう少し後で詳しくご説明いたします。

まずはエアコンの仕組みを確認しましょう。

エアコンの仕組み

エアコンの室外機やダクトのカバー、再設置する場合の流れと費用

エアコンは室内機と室外機の循環で風を送っています。

その循環させる配管が「冷媒菅(れいばいかん)」です。

冷媒とは空気の中にある熱を運ぶ働きがあり、冷たい空気や温かい空気を送る重要な役割を担っています。

【冷房の仕組み】
1:室内機が部屋の暖かい空気を取り込む
2:取り込んだ空気の中にある熱を分離させて、その熱を室外機に送る
3:室外機に送られた熱は圧縮機で高温にさせ、ファンで熱を外に排気する
4:熱が放出された冷媒を低温に冷やし、室内機に戻して冷たい風を吹き出す

暖房は冷房と反対の動作を行います。

【暖房の仕組み】
1:室外機で外の空気を集める
2:取り込んだ熱を圧縮機に送り、圧力をかけて高温にする
3:高温になった冷媒を室内機に送り、暖かい風を吹き出す
4:熱が放出された冷媒を室外機に送り、低温にする
5:低音になった冷媒は室外機の熱交換器で外の空気の熱を集める

熱を移動させる要が冷媒菅でして、冷房と暖房の仕組みで見る通り、冷媒菅には「室外機から室内機に向かう配管(送り)」「室内機から室外機に向かう配管(戻り)」の2本があります。

室外機を移設するときは、この2本の冷媒菅に触れるため、どんな仕組みなっているか知っておくと作業もしやすいかと思います。

エアコンを再設置するために必要な道具

まずはエアコンを再設置するために必要な道具を確認しましょう。

【エアコンを再設置するために必要な道具】
・プラス・マイナスドライバー
・電動ドライバー
・電動ドリル
・ペンチ
・モンキーレンチ(1〜2本)
・カッターナイフ
・六角レンチ(4mm)
・フレアツール
・パイプカッター
・水平器
・銅管(配管)
・真空ポンプ
・ビニールテープ
・配線
・ダクトカバー
・エアコンパテ
・ドレンホース
・脚立
・軍手

エアコンの脱着はDIYでも可能ですが、揃える道具や材料もこのように多くあります。

揃えるだけでもそれなりに費用がかかりますので、もし一から始めるという方は、無理せずに業者にご依頼していただくことをおすすめします。

また、電気配線をいじる必要がある場合は、電気工事士の資格が必要です。

電気工事は火災の危険性もありますのでご注意ください。

エアコン・室外機・ダクトカバーの取り外しまでの流れ

【エアコンの取り外しまでの流れ】
① エアコンの動作確認
② ポンプダウン
③ 配管の取り外し
④ 配線の取り外し
⑤ 室内機の取り外し

①エアコンの動作確認

エアコンの室外機やダクトのカバー、再設置する場合の流れと費用

エアコンを取り外す前に、まずは動作確認をしてください。

動作確認は「強制冷房」で確認します。

強制冷房は冷房運転できない冬場でも冷房運転の動作を確認できます。

確認事項はこちら。

・室内機の吹き出し口から冷房が出ているか
・室外機のコンプレッサーが動作しているか

動作確認は機器の故障や事故を防ぎますので、必ず行っておきましょう。

強制冷房の方法は機器やメーカーによって異なります。

操作方法はエアコンの取り扱い説明書をご確認ください。

②ポンプダウン

エアコンが正常に動作していたら、次はポンプダウンに入ります。

室内機はそのまま動作させたままで大丈夫です。

ポンプダウンとは配管内を循環する冷媒ガスを室外機の内部に閉じ込める作業のことです。

【ポンプダウンの方法】
1:2本の配管のパルプキャップを取り外す
2:送り側 2分配管(細い管)のパルプを六角レンチで時計回りに回して閉める
3:2〜3分間放置する
4:送り側と同様に戻り側 3分配管(太い管)を六角レンチで閉める
5:冷媒ガスを回収できたか確認
※太い管の先端にあるサービスポートをレンチの先端で押すことで確認できます。勢いよくガスが噴出する場合は回収できていないため、もう一度も戻り側の配管と送り側の配管を戻して、強制冷房運転からやり直してください。
6:すみやかにエアコンを停止〜コンセントを抜く
※配管を閉めた状態で動作させていると室外機のコンプレッサーを故障させる恐れがあります。冷媒ガスを回収できたら、早急に運転を停止させるようにしてください。

ポンプダウンはエアコンを取り外しの中で最も重要な工程です。

冷媒に用いられているフロンガスは地球温暖化の原因となっている温室効果ガスの一つです。

冷媒ガスが漏れると環境に悪いだけでなく、冷暖房効率の低下や機器の故障、最悪は爆発事故を招く恐れがありますので、作業を行う際は十分にご注意ください。

【配管はしっかり閉めましょう】
送り側の配管をしっかり閉めておかないと冷媒ガスが漏れてしまうため、回らなくなるまで閉めてください。
ただし、きつく閉めすぎると配管が破損する恐れがあるため、レンチが回らなくなったら、もうひと力加えて閉める程度に力を加減しましょう。

【配管を閉める順番を誤らない】
配管を閉めるときは送り側と戻り側の順番を間違えないように注意してください。
先に戻り側の配管を閉めると冷媒ガスを室外機に閉じ込めることができず、ガス漏れの原因になります。
冷媒ガスが回収できていない時点で戻り側の配管まで閉めるとエアコンのコンプレッサーに負荷がかかり、爆発事故を起こす危険がありますのでご注意ください。

③配管の取り外し

エアコンの室外機やダクトのカバー、再設置する場合の流れと費用

1:先ほど取り外したパルプキャップを戻す
2:送り側の配管(細い管)のフレアナットを2本のモンキーレンチで外す
・1本のモンキーレンチはサービスポートに固定
・もう1本はフレアナットを反時計回りに回す(左回し)
3:次に戻り側(太い管)を同じ要領で取り外す
4:配管取り外し後、両方の接続口をテープで保護する

④配線の取り外し

1:室内機側の電源コートが抜けているか確認
2:配線を固定するネジを取り外す
3:マイナスドライバーで配線を固定するパーツを押しながら配線を引き抜く
4:配線の芯線は1本ずつ絶縁テープを巻いて保護
5:取り外した配線の固定パーツを戻す

電気配線はショートや感電する危険性があります。

こちらのポイントに注意してください。

【感電やショートに注意】
電源コートが抜かれていない状態で配線を外したり、切ったりすると感電やショートを起こす危険性があります。
必ず室内機の電源コードが抜かれているかご確認ください。

また、配線を3本まとめて切断してしまうと、電源コードを抜いていてもショートする危険があります。
切断する場合は1本ずつにしてください。

⑤室内機の取り外し

1:エアコンダクトカバーを取り外す
2:室外機側のドレンホースと銅管を切断
3:室内機を壁から取り外す
4:据付板をドライバーで取り外す
5:エアコン穴をパテで埋める

ドレンホースとは室内機から出た水を外に排水するホースのことです。

エアコンを再利用する場合、必ず室外機側のドレンホースと銅管を切断してください。

室内機の取り外し方はメーカーによって異なりますが、一般的に据え置き板に室内機を引っ掛けて固定してあるため、室内機を上に持ち上げると取り外せます

エアコン・室外機・ダクトカバーの再設置までの流れ

【エアコン・室外機・ダクトカバーの再設置までの流れ】
① 据え置き板の設置と配管穴の開口
② 室内機側の配線と配管の取り付け
③ 室内機の設置〜エアコンダクトカバーの取り付け
④ 室外機の設置〜試運転

①据え置き板の設置と配管穴の開口

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1:室内機の据え置き板を設置
2:コアドリルで配管穴を開口する
3:開口した穴に貫通スリーブを取り付ける

据え置き板を取り付けるときは下地があるか確認してください。

もし、下地がない場合は強度を保てるようにアンカーを取り付けてください。

仮止めした後に水平器で位置を合わせてから据え置き板を取り付けます。

配管穴は、柱や筋交がないところを開口する必要があります。

また、室内機を取り付ける位置と配管が干渉しないように位置決めにご注意ください。

②室内機側の配線と配管の取り付け

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1:室内機側の配管のナットを取り外す(ナットは後で使用)
2:アースを室内機に取り付ける
3:VVFケーブルを室内機に接続(剥きしろは15mmほど※各メーカーで違うので確認)
4:配管をフレアツールを使ってフレア加工する
5:フレア加工した配管を室内機側の配管に先ほど取り外したナットで接続する
6:配管を断熱材で覆い、テープでまとめる

室内機側の配管作業は、フレア加工という配管の先端をラッパ状にする加工をフレアツールを使って行います

配管のナットの締め付けは指定のトルクがあるので、手でナットを閉めてからトルクレンチでナットを閉めます

③室内機の設置〜エアコンダクトカバーの取り付け

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1:室内機を持ち上げ配管を開口した穴から出しながら据え置き板に引っ掛ける
2:エアコンダクトカバーの位置を決める
3:ダクトカバーの頭の下側を配管に合わせ、ドリルで下穴を開ける
4:ダクト部分の位置にも下穴を開ける
5:下穴にはコーキングを打って防水する
6:頭部分のダクト部分の下側をビスで固定する
7:取り付けたカバーの下側部分に合わせて配管を折れないように曲げる
8:カバーに配管を収納したら蓋をする
9:開口穴はパテで隙間を塞ぐ
10:カバーの頭部分を取り付け、上部にはコーキングを打って防水する
11:カバーの端末を取り付ける

④室外機の設置〜試運転

1:室外機の土台を置いてからその上に室外機をのせてビスで固定する
2:室外機の側面カバーを取り外す
3:2分配管と3分配管をフレア加工して室外機に接続
4:電気配線を室外機に接続
5:真空ポンプを使って真空引きをする ※約15分置く
6:真空引き後、真空ポンプを取り外す
7:六角レンチでバルブを開放して冷媒ガスを配管内部に充満させる
8:正常に動作するか試運転
9:動作に問題がなければ設置完了

配管にバリが残っている場合はフレア加工する前に取り除いておきましょう。

真空引きとは配管の中の空気を抜くことです。

真空引きには15分ほどかかります。

室外機に配管を接続するときは、取り外すときと同様にモンキーレンチを2本使って、片側を固定してもう片方のレンチで締め付けてください。

冷媒ガスを流すときは、ガス漏れに注意してください。

もし、ガス漏れが確認できたらすぐに六角レンチで閉め直し、不備がないか確かめましょう。

試運転の前後ではこちらを確認してください。

【試運転前に確認すること】
・VVFケーブルが正しく接続されているか
・冷媒用の銅管が正しく接続されているか

【試運転のチェック項目】
・きちんと送風されるか
・露受け皿の排水がちゃんと流れるか
・ドレンホースからちゃんと排水されているか
・室外機のファンが稼働しているか

エアコン・室外機・エアコンダクトカバーの再設置費用

エアコンの室外機やダクトのカバー、再設置する場合の流れと費用

エアコンの取り外し・取り付け費用相場

エアコンの容量費用相場
〜4.9kw以下8,800円〜16,500円
5.0kw〜6.2kw13,200円〜20,900円
6.3kw以上~17,600円〜25,300円

エアコンの脱着費用は「エアコンの容量」と「エリア」によって変わります。

配管の延長・交換・特殊設置の費用相場

項目費用相場
冷媒菅(2分 3分)2,000円/m〜3,000円/m
冷媒配管(2分 4分)2,500円/m〜5,000円/m
配管延長作業代1,000円/ヵ所〜8,000円/ヵ所
配管化粧カバー2,500円/m
冷媒ガス追加充填5,000円〜10,000円
室外機の特殊設置5,000円〜

特殊設置とは、天井から専用の金具で室外機を吊る「公団吊り」「屋根上置き」「壁面金具置き」などがあり、高所作業を伴う施工も特殊設置に該当します。

特殊設置になる場合は、追加で別途費用が発生します。

お住まいのことならりふぉーむカンパニーにお任せください!

エアコンの室外機やダクトのカバー、再設置する場合の流れと費用

ここまでエアコンや室外機などの再設置の流れや費用についてお伝えしてきました。

エアコンを再設置するときはこちらの2点に気をつけてください。

・室外機を強引に動かそうとしない ※配管が折れてしまいます
・隣接するお家に影響がないか確認する

エアコンが古いと再設置してもうまく動作しない可能性があります。

年数が経っている機器であれば、新しく交換していただくこともご検討ください。

当社はお住まいのどんなお困りごともご対応させていただきます。

診断や見積もりも無料で行っておりますので、なにかお困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。

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