外壁塗装の悪徳業者が使う手口を総解説!これで悪徳業者を避けられる

外壁塗装の悪徳業者とは、強引に契約を結び、過剰請求や手抜き工事を行う業者のことです。

外壁塗装の悪徳業者と契約してしまうと、相場の倍以上の費用を請求されたり、わずか数年で塗装が剥げてきてしまうような手抜き工事をされる危険性があります。また最悪のケースでは、工事費用を持ち逃げされることさえあり得ます。

しかも厄介なことに、悪徳業者はもっともらしいトークで相手を信用させ、手抜き工事か否かが判明するのは施工後しばらく経ってからになるため、知らないうちに騙されていることも多いのです。

そのため、外壁塗装の悪徳業者を避けるには、どのような手口を使ってくるのかということを知っておく必要があります。つまり、「この業者は怪しい!」ということを敏感に察知できるようにしておくことが効果的だということです。

実際に、外壁塗装業界には悪徳業者が多く、被害の報告は後を絶ちません。外壁塗装の悪徳業者に騙されるかもしれない危険性は、あなたのすぐ隣に潜んでいるのです。

そこでこの記事では、以下について詳しく解説します。

▼外壁塗装の悪徳業者が使う手口【営業トーク編】

▼外壁塗装の悪徳業者が使う手口【契約編】

▼外壁塗装の悪徳業者が使う手口【工事編】

▼悪徳業者を避けるためのポイント

▼外壁塗装業界における悪徳業者の現状

▼外壁塗装の優良業者を見極めるためのポイント

この記事を読むことで、「外壁塗装の悪徳会社とはどのようなものなのか」がよくわかります。また、悪徳業者を避けて優良業者を選ぶための方法も理解できます。

悪徳業者に騙されず、優良業者による適切な外壁塗装を受けるための第一歩として、ぜひ最後までお読みください。

目次

外壁塗装の悪徳業者が使う手口【営業トーク編】

外壁塗装の悪徳業者は、消費者が「お得!」「やらないとマズい」という気持ちになってしまうように、うまく煽ってきます。

また、とても親切で人当たりがいい営業マンを使っている場合も多く、つい信用してしまうのも無理はないかもしれません。

しかし、以下のような営業トークをしてくる場合には、ほぼ悪徳業者だと考えて間違いありません

営業マンの雰囲気やはやる気持ちに流されず、話の内容をしっかりと捉えましょう。

この地域の無料点検に回っている塗装業者です

外壁塗装の悪徳業者の多くは、訪問販売という形で近付いてきます

「無料点検」に加えて、「近所で工事をしているため挨拶に来た」「この地域でモニターを探している」などのトークにも、同じく注意が必要です。

外壁塗装の訪問販売には優良業者もいますが、全体的な数の中での比率としては、悪徳業者の方がかなり多いのが現状です。そのため、呼んでもいないのに自宅にやってきた業者は、まず怪しいと考えましょう。

訪問販売の営業マンを受け入れてしまうと、実際には外壁塗装が必要ない状態だとしても、強引に契約に持ち込まれる危険があります。また、より悪質なケースでは、屋根に上って瓦を割り修繕を勧めるという業者もあるほどなのです。

今すぐ見積もりを出せます

外壁の状態をサッと見ただけで見積もりを出してくる業者は、危険です。

本来、外壁塗装の見積もりを出すためには、1~2時間かけて外壁や屋根の状態をしっかりと確認する必要があります。塗装する面積や劣化状態を正確に把握しないと、料金を決めることができないからです。

その工程を省いて適当に作成された見積もりが適正価格であるはずはなく、後から追加料金を請求されるケースもります。

今ならモニター価格で安くできます

モニターになってくれれば値引きするという「モニター商法」は、外壁塗装の悪徳業者が非常によく使う手口です。

同様に、キャンペーンやお試しなど、「○○価格」という値引きには注意しましょう。

これらは、消費者のお得感を刺激して何とか契約に持ち込もうとする行為で、しっかりとした品質の塗装を提供する優良業者であればやる必要がないことです。

「今だけ」「あなただけ」という特別感を匂わされたら、怪しいと考えましょう。

○○万円値引きします

最初から値引きを提案してくる業者には注意しましょう。特に、値引き額が10万円以上である場合には、悪徳業者の危険性が極めて高くなります。

外壁塗装に関する基本的な知識を得ておく」で詳しく解説しますが、外壁塗装の相場は100万円前後です。そしてその費用の中には、人件費や足場代など、どうしても削ることができないものがあります

そのため、10万円以上の値引きをしてしまうと、工事が成り立たなくなってしまいます。そもそも、優良業者は適正価格で見積もりを出してくるため、大幅な値引きの余地はないのです。

それにもかかわらず最初から大幅な値引きを提案してくるケースでは、見積もり額が値引き前提の過剰請求であると考えましょう。

30年はもつオリジナル塗料を使えます

この営業トークには、以下2点の怪しさが含まれています。

・30年以上もつ塗料は現時点で存在しない

・完全にオリジナルの塗料を有する塗装業者がいるとは考えにくい

まずは塗料の耐用年数についてですが、2021年時点で最もハイグレードな無機塗料で、20~25年です。しかも塗料の耐用年数というのは、家の立地や気象条件などによって変化するため、「確実にこれだけもつ」ということは言えないのです。

また、塗料の開発には膨大な時間とコストがかかるため、一塗装業者がこれを行うのはほぼ不可能です。オリジナル塗料というのは、塗料メーカーが販売している塗料に自社ラベルを貼ったものだと考えて間違いないでしょう。そのため、市販品より特に性能がよいということにはなりません。

「25年以上は塗装不要」「オリジナル塗料」、このワードが出たら悪徳業者の危険性が高いため注意しましょう。

すぐに塗装をしないと危険です

悪徳業者は、消費者の恐怖心を煽ってそこにつけ込もうとしてきます。

そのための方法としてよく使われるのが、今すぐに塗装をしないと壁が剥がれる・家が倒れるなどの重大な被害が起こるという脅し文句です。

たしかに、塗装が劣化すると外壁材にひび割れができ、そこから雨が侵入することで建物内部が腐食して崩れやすくなることは事実です。ただしこのような変化は、数年に渡って進んでくるものであり、今この数日以内に起こるわけではありません。

「危険だから今すぐに!」というトークは聞き流しましょう。

外壁塗装の悪徳業者が使う手口【契約編】

外壁塗装の悪徳業者は、正体に気付かれる前に契約に持ち込み、できるだけ多くの工事費用を騙し取ろうとしてきます。

そのために、契約に際して以下のような手口を使います。

それぞれの内容について解説していきましょう。

契約を急かす

「今日中に決めてくれれば値引きします」「このキャンペーンは明日までです」など、数日以内に契約するように迫ってくる業者は、間違いなく悪徳業者です。

悪徳業者は、消費者に考える時間を与えたくないのです。消費者が外壁塗装について調べたり誰かに相談すると、自分の話が怪しいということに気付かれて、正体がバレてしまうためです。

どんなにもっともらしい理由を述べられたとしても、契約を急かしてくる業者は信用しないようにしましょう。

書類の工事内容が「一式」になっている

以下のように、見積書や契約書に工事内容の詳細な記載がなく「一式」になっている場合には、注意が必要です。

「一式」という表現で曖昧にしておくことで、詳細な工事内容についての約束をしないというのが悪徳業者の手口です。

そして、消費者が工事内容の詳細を知らないのをいいことに、手抜き工事をしたり、本来は当然必要な工程を追加工事と偽って更に費用を請求したりするのです。

優良業者による見積書は内容が詳細

よい見積書とは、それを見ただけでどのような工事が行われるかがよくわかる見積書のことです。

よい見積書では、工事の工程・数量や単価・使用する塗料などが詳細に記載されています。

工事費の全額前払いを要求する

工事費を全額前払いさせようとする業者は、悪徳業者以外の何ものでもありません

一般的に、工事費の支払いは以下のどちらかのパターンで行います。

・契約時と工事完了後に半額ずつ

・工事完了後に全額

着工前に全額を支払わせる業者は、工事を行わずにその費用を持ち逃げする危険性があります。

クーリングオフについて説明しない、または「できない」と説明する

クーリングオフとは、悪徳業者と契約してしまった場合にも条件を満たせば契約を解除できるシステムのことです。

外壁塗装においてもクーリングオフは可能であり、塗装業者は契約の際にその旨を消費者に説明しなくてはなりません

しかし悪徳業者は、クーリングオフについて消費者に情報を与えなかったり、より悪質な場合には不可能だと嘘をついたりして、契約解除を妨害しようとするのです。

外壁塗装におけるクーリングオフの適用条件

・契約書を受け取ってから8日以内であること

・個人として業者と契約していること

・購入者の方から業者を呼び寄せていないこと

・契約の場所に自ら出向いていないこと

ただし、「契約書にクーリングオフについて記載されていない」「クーリングオフはできないと言われた」など、業者側からの妨害があった場合には、契約後8日間を過ぎていても適用されます。

保証書を出さない

通常、外壁塗装には保証書が発行されます。実際の発行は工事完了後になりますが、契約時に保証内容について説明し、発行予定の保証書を提示するのが優良業者です。

一方の悪徳業者では、保証書を発行してくれません。工事の責任を負うつもりは毛頭ないからです。塗装が剥がれてきて正体がバレる前に、会社を潰して逃げてしまう業者さえあります。

そのため、「しっかり保証します!」と口約束だけで済ませようとするケースが多くなります。

外壁塗装の悪徳業者が使う手口【工事編】

外壁塗装の悪徳業者は、消費者から相場よりも高い費用を巻き上げただけでは飽き足らず、手抜き工事によってより利益を大きくしようと企みます。

以下のような手口を使って、材料費や人件費を浮かせようとするのです。

これらの手抜き工事の厄介なところは、施工直後には表面上何も問題がないように見えてしまうということです。

そのため、施工後数年経ってから、予定よりも随分と早く塗装が劣化してくることで、初めて手抜き工事をされたことに気付くというケースが少なくありません。

だからこそ、悪徳業者による手抜き工事の手口を把握しておき、契約内容や現場での作業状況に目を光らせることが大切なのです。

塗装前の下処理を手抜きする

外壁塗装を行うにあたっては、以下のような下処理が必要になります。

・外壁の高圧洗浄

・外壁材のひび割れ補修

・外壁材のつなぎ目を埋めている素材(コーキング)の打ち換え

これらの下処理をしっかりと行うことで、新しい塗料が外壁材に密着し、長持ちするようになります。

悪徳業者は下処理の手間を省いて塗装を始めてしまうため、施工後短期間で塗装が浮いたり剥がれたりするのです。

契約内容と異なる安価な塗料を使う

契約時には「最高級の塗料を使います!」などと調子のいいことを言っておきながら、安価な塗料で済ませようとするのも悪徳業者がよくやる手口です。

外壁塗装の塗料には様々な種類があり、その種類によって耐用年数が異なります。そして、耐用年数が長い塗料ほど高価になります。

一般的な塗料を使用すれば10年以上はもつはずが、安価な塗料を使用されたことによってほんの数年で塗装が劣化してくるということになってしまうのです。

塗料を必要以上に薄める

外壁塗装の塗料は、メーカーの規定に従って濃度を調節した上で使用します。

しかし悪徳業者は、塗料を必要以上に薄めることで、より少ない塗料で塗装を終わらせようとします。

規定よりも薄い塗料では外壁材を保護するのに十分な厚みを確保できず、早々に劣化してきてしまいます。

本来3回塗りが必要なところを2回塗りで済ませる

外壁塗装では、「下塗り・中塗り・上塗り」という3回の塗装工程が必要になります。

悪徳業者は、このうち同じ塗料を使用する中塗りと上塗りを、まとめて1回で済ませるという手口を使います。これによって、塗料代が節約でき、工期が短くなることで人件費も削減できるからです。

この場合には塗料を薄めるのと同様に、外壁材を保護するのに十分な厚みを確保できず、早々に劣化してきてしまいます。

塗料を十分に乾燥させずに上塗りする

外壁塗装で3回塗りを行う際には、塗った塗料が十分に乾いてから次の塗装を行うのがルールです。

塗装が乾くまでの時間は塗料によって異なり、天候にも左右されます。短いケースで4時間程度、長ければ翌日まで待たなければならないケースもあります。

悪徳業者は、工期を短くしたいがために、乾燥時間を確保せずに次々と塗り重ねていってしまいます。その結果、塗料が十分に密着せず、施工後短期間で塗装が浮いたり剥がれたりするのです。

外壁塗装の正しい工程について知りたい方は、「外壁塗装 工程」を、手抜き工事についてもっと詳しく知りたい方は、「外壁塗装 手抜き工事」をご覧ください。

悪徳業者を避けるためのポイント

外壁塗装の悪徳業者が使う手口を理解できたところで、悪徳業者を避けるためのポイントについても確認しておきましょう。

以下のようなポイントを押さえておくと、悪徳業者の手口を見破ることができます。

それぞれの内容について、解説していきましょう。

訪問販売業者とは契約しない

まず、とても簡単で有効な対策としては、外壁塗装の訪問販売業者とは契約しないということです。

訪問販売が全て悪徳業者だというわけではありませんが、優良業者の割合に比較すると圧倒的に悪徳業者の方が多いというのが現状です。

つまり、訪問販売を断ったことによって優良業者を逃してしまう可能性よりも、訪問販売を受け入れて悪徳業者と契約する羽目になる可能性の方が明らかに高いということです。

そのため、少々乱暴かもしれませんが、訪問販売業者は悪徳業者だという認識でいる方が安全です。

外壁塗装の訪問販売について詳しく知りたい方は、「外壁塗装 訪問販売」をご覧ください。

外壁塗装に関する基本的な知識を得ておく

外壁塗装の悪徳業者は、消費者の知識のなさにつけ込んできます

例えば、非常識な過剰請求がまかり通るのは、消費者が外壁塗装費用の相場を知らないからです。

これは裏を返せば、外壁塗装についてある程度の知識をもっていれば、悪徳業者の主張がおかしいということに気付けるということです。

そのため、以下について理解しておきましょう

・外壁塗装が必要になるタイミング

・外壁塗装の費用相場

・外壁塗装に使用する塗料にはいくつかの種類があり自分で選ぶべきだということ

外壁塗装が必要になるタイミング

外壁塗装が必要になるタイミングには、以下の3つがあります。

①外壁材の種類に応じた塗り替え推奨年数を迎えたとき

②前回塗装した塗料の耐用年数を迎えたとき

③塗装や外壁材に劣化症状がみられたとき

このことを理解しておくことで、必要のないタイミングで外壁塗装を勧められた場合それに気付くことができます

①外壁塗装が必要になるタイミングは、外壁材の種類によって異なります

家を建ててからまだ一度も塗り替えをしていないという場合には、外壁材の種類に応じた塗り替え推奨年数を迎えた時点で、塗装をしましょう。

外壁材の種類

特徴

塗り替え推奨年数

窯業系サイディング

セメントと繊維質などの原料を板状に形成したもの

10年

モルタル

セメントと砂を混ぜて塗りつける

10年

ガルバリウム

金属板を成形・加工して柄付けしたもの

15~20年

樹脂系サイディング

塩化ビニール樹脂でつくられたもの

20~30年

レンガ・タイル

粘土を焼いて作られたもの

不要

②外壁塗装が必要になるタイミングは、使用している塗料の種類にもよります

前回塗装した塗料の種類がわかる場合には、その耐用年数を迎えた時点で塗り替えを検討しましょう。

塗料の種類

耐用年数

施工価格(㎡あたり)

アクリル

6~8年

1,000~1,800円/㎡

ウレタン

7~10年

1,700~2,500円/㎡

シリコン

10~15年

2,300~3,500円/㎡

ラジカル

14~16年

2,200~4,000円/㎡

フッ素

15~20年

3,500~4,800円/㎡

無機

18~25年

3,800~5,500円/㎡

塗装や外壁材に劣化症状がみられたときには、塗り替え推奨年数にかかわらず、速やかに塗り替えを行う必要があります

劣化症状には、以下のようなものがあります。

色褪せ

塗装の色が薄くなる

塗膜の浮き・剥がれ

塗装の表面が凸凹したり剥がれてくる

チョーキング

外壁を触ると手に粉がついてくる

水の吸収

外壁に水をかけると弾かずに染み込んでいく

カビ・苔

外壁の表面に黒や緑の色がつく

ひび割れ

外壁の表面に亀裂が入る

外壁塗装の費用相場

外壁塗装の費用は、塗装する面積や使用する塗料によって異なりますが、相場は以下の金額になります。

【2階建て延べ床面積30坪の場合】

・外壁のみ→60~90万円

・外壁と屋根→80~120万円

このことを理解しておくことで、非常識な過剰請求をされた場合それに気付くことができます

外壁塗装に使用する塗料にはいくつかの種類があり自分で選ぶべきだということ

外壁塗装に使用する塗料は種類によって耐用年数が異なり、耐用年数の長いものほど高価になります。

塗料の種類

耐用年数

施工価格(㎡あたり)

アクリル

6~8年

1,000~1,800円/㎡

ウレタン

7~10年

1,700~2,500円/㎡

シリコン

10~15年

2,300~3,500円/㎡

ラジカル

14~16年

2,200~4,000円/㎡

フッ素

15~20年

3,500~4,800円/㎡

無機

18~25年

3,800~5,500円/㎡

耐用年数の長い塗料を使用すれば塗り替えの回数を減らせるため、長期間今の家を所有するのであれば結果的にコストを抑えることができます。

一方で、家の寿命もあと数年という状況で塗り替えをするのであれば、安価な塗料で十分だというケースもあるでしょう。

つまり大切なことは、外壁塗装の費用を左右する塗料はライフプランに合わせて選択することが必要なので、業者任せにせず自分で決めるべきだということす。

このことを理解しておくことで、塗料に関して十分な説明をしない・選択権を与えない業者は怪しいということに気付くことができます

最低でも3社から相見積もりをとる

外壁塗装を検討する際には、最低でも3社から相見積もりをとりましょう

複数の見積書を見比べることで、平均から外れた高額な請求や工事内容の詳細がわからない雑な記載など、悪徳業者による見積もりの特徴が浮かび上がります。

また、相見積もりをとるには少なくとも数日必要になるため、悪徳業者からのアクセスがあったとしてもそれを保留して考える時間を確保することにもつながります。

工事や請求の内容を詳細に確認する

業者に外壁塗装を依頼する場合には、工事の内容や請求の根拠について、詳細な説明を求めましょう

少なくとも以下の点については、納得ができる回答を得る必要があります。

・工事のスケジュール(特に塗り回数と乾燥時間)

・塗装箇所と面積

・使用する塗料

・請求項目の内容と単価

・工事費の支払方法

・アフターフォローの内容

これらについて十分な説明ができない、または質問されることを嫌がるようであれば、悪徳業者の可能性があるため依頼するのをやめましょう。

時間に余裕をもって主体的に業者探しをする

外壁塗装を依頼する業者選びは、塗り替えが必要なタイミングに先立ち、時間的な余裕をもって行いましょう。

これは、いよいよ塗り替えが必要なタイミングで悪徳業者のアクセスを受けることによって、焦って契約してしまうことを避けるためです。

また、主体的に情報収集をして多くの塗装業者を見比べることで、優良業者に出会える確率が高まります。

工事現場をチェックする

既に塗装業者と契約して工事が始まっているという場合でも、油断は禁物です。手抜き工事がされていないかどうかを知るために、以下の項目をチェックしましょう。

・塗装前に外壁全体を高圧洗浄しているか

・古いコーキングを補強する「打ち増し」ではなく、新しいものに替える「打ち替え」をしているか

・ひび割れなどの補修を、細かな部分まで漏れなく行っているか

・契約内容と一致した塗料を使用しているか

・間違いなく「下塗り・中塗り・上塗り」の3回塗りをしているか

・塗料を乾燥させる時間を確保しているか

・雨どいなどの付帯部分を含めて契約範囲全部に塗装されているか

実際に現場を確認することができないという場合には、業者にその日の作業内容を報告してもらったり、塗料の缶を写真撮影してもらったりすることでチェックしましょう。

外壁塗装業界には悪徳業者が多いため注意!

非常に残念なことに、ここまで解説してきたような手口を使う悪徳業者は、外壁塗装業界に多く蔓延っています。

そのため、外壁塗装の悪徳業者問題は決して他人事ではないということを覚えておいてください。

このことを理解していただくために、ここでは外壁塗装の悪徳業者による被害の現状と被害が起こりやすい理由について解説します。

外壁塗装工事に関するトラブルは多い

下のグラフは、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターに寄せられた、住宅のトラブルに関する電話相談の件数です。

出典:公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター

リフォーム住宅に関するトラブルは2019年度時点で8000件余り報告されており、増加傾向にあることがわかります。

ただし、この電話相談件数には、建物自体のトラブルだけではなく、賃貸や相続の問題も含まれています。そこで、以下の図も確認しましょう。

これは、建物自体のトラブルとその他のトラブルの比率を表したグラフです。

出典:公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター

このグラフからわかるように、リフォーム住宅に関しては、相談内容の96.5%が建物自体のトラブルを訴えるものになっています。

それでは、なぜリフォームした建物にトラブルが起きるのでしょうか?以下の図は、「電話相談してきた人が苦情を言いたい相手は誰か」「どのような解決を希望するか」ということを表したグラフです。

出典:公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター

リフォームした建物にトラブルが起きているという人のほとんどがリフォーム業者に対して苦情を言いたいと考えており、補修や損害賠償を希望しています。

このことから、建物にトラブルが起きている原因はリフォーム業者にあり、補修が必要な状況になっている、つまり「リフォーム業者に不適切な施工をされてしまい困っている」というケースが非常に多いということがわかります。

ここで注意が必要なのは、これらのリフォーム業者に関してはその内訳が発表されていないため、外壁塗装には限らないということです。

しかし、以下の図を確認することで、不適切な施工をするリフォーム業者の中では外壁塗装業者がかなり多くの比率を占める可能性が見えてきます。

この図は、建物トラブルとしてどの部分に不具合が起きているのかを集計したものです。

出典:公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター

不具合が起きている場所のうち、上位5位の全てに外壁が含まれています。

このことから、建物の不具合を引き起こしている原因としては外壁塗装トラブルがかなり多い、したがってリフォームの悪徳業者といえば外壁塗装の悪徳業者を指すケースが多いといえるでしょう。

このように、不適切な外壁塗装工事を受けてしまったという人は多く、被害件数は増える一方なので、自分事として注意する必要があるのです。

外壁塗装では消費者を騙しやすい

外壁塗装業界に悪徳業者が蔓延ってしまう理由として、「外壁塗装は消費者を騙しやすい工事である」ということが挙げられます。

外壁塗装業者を開業するのに、特別な資格は必要ありません。そのため、悪意のある素人が開業してしまっても、それを規制するルールがないのです。

また、外壁塗装は多くの人にとって初めての経験になるため、方法や相場がよくわからないという知識不足の状態にあることがほとんどです。悪徳業者は、そこを狙って容易につけ込んできます。

そして、外壁塗装の工事は手抜きされていてもすぐにそれとはわからないということも、悪徳業者にとって相手を騙しやすいポイントになります。とりあえず工事をすれば、正体がバレる前に逃げる時間が十分にあるからです。

だからこそ、悪徳業者による手口を理解しておくことで、騙されるのを未然に防ぐことが大切なのです。

外壁塗装の優良業者を見極めるためのポイント

悪徳業者を避けるためのポイントが理解できたところで気になるのは、「その対極にある優良業者とはどのような業者で、どうやってみつけたらよいのか」ということだと思います。

自宅の外壁塗装を安心して任せられる優良業者なのかどうかを見極めるためには、以下のようなポイントをチェックしましょう。

大切なのは、業者のスタッフと直接会ってやりとりし、たくさん質問してみることです。それに対して誠実に向き合ってくれる業者は、信頼できるといえます。

それでは、それぞれのポイントの内容について、解説していきましょう。

地元での実績が豊富か

地元密着型のサービスを展開し、実績が豊富な塗装業者は、技術力と信頼性の面で優れています

その地域で優良な施工をしているために、利用した人からの紹介という形で顧客を増やしているケースが多いためです。

そして、多くの案件を手掛けることによって、施工の技術も向上していきます。

このような業者と契約すれば、適切な外壁塗装をしてもらえるだけではなく、アフターフォローや再塗装など、その後も長く付き合っていくことができるでしょう。

資格をもったスタッフがいるか

その業者に以下のような資格をもったスタッフがいれば、専門的な知識と技術に基づいた適切な外壁塗装をしてもらうことができます。

・塗装技能士

・外装劣化診断士

・外壁塗装マイスター        

・雨漏り診断士

・建築士

・足場の組立て等作業主任者

また、業者自体が「建設業(塗装工事)許可」を受けていれば、専門技術者が実績を重ねているという証なので、信頼できます。

工事内容を詳細に記載した書面を用いて説明してくれるか

工事内容についての説明の仕方によっても、優良業者を見極めることができます。ポイントは以下の2点です。

・工事内容を詳細に記載した書面を用意してくれるか

・素人にもよく分かるように説明してくれるか

まずは、見積書や契約書に「それを見ただけでどのような工事をするのかがわかる」レベルの、詳細な工事内容の記載があるかどうかに注目しましょう。口約束ではなくしっかりと書面を残すという堅実な業者であるかどうかを判断できます。

そして、「何のためにどのような作業をするのか」ということについて、難しい専門用語を使わずにわかりやすく説明してくれるようであれば、消費者を尊重できる優良業者だと考えてよいでしょう。

複数のプランを提示してくれるか

見積もりの段階で塗装のプランを複数提示してくれる業者は、顧客ファーストの優良業者だといえます。

外壁塗装の費用は、使用する塗料によって異なります。また、外壁のみ塗装するか屋根も同時に行うかなども、建物の状態や予算に応じて検討が必要です。

そのことを踏まえて複数のプランを提案してくれる業者は、顧客のニーズに合わせたサービスを提供するための手間を惜しまないという点で、信頼できます。

作業現場の見学を積極的に受け入れてくれるか

手抜き工事の現場を見られたくない悪徳業者に対して、適切な作業を行っている優良業者では、顧客が現場を見学することを歓迎してくれます。見られて困ることは何もないからです。

業者選びで迷っている段階であれば、実際に施工した他の現場を見学させてくれることもあるほどです。

作業現場の見学を申し出てみて、快く受け入れてもらえるようであれば、正しい施工がなされていると考えてよいでしょう。

アフターフォローが充実しているか

外壁塗装は、一度行えば終了というものではなく、家を保有する限り定期的に必要になるメンテナンスです。そのため、施工後の点検や保証などのアフターフォローが充実している業者と、長期的な付き合いをするのが安心です。

優良業者では、施工後の定期的な点検と、しっかりとした保証内容を約束してもらえます。

外壁塗装の保証には以下の種類があるため、「いつまで、どのような範囲で保障されるのか」について確認しておきましょう。

・自社保証

・塗料メーカー保証

・第三者機関保証

ひとつの目安としては、「外壁塗装の浮きや剥がれに対して、5年以上の期間で」保証してくれる業者が安心です。

施工事例やお客様の声を多数紹介しているか

実際に施工した物件の写真や顧客の口コミを紹介している業者は、優良業者の可能性が高いです。

もちろん、お客様の声を偽造することは可能ですが、ホームページやチラシ上にしっかりと掲載するのはそれなりに手間がかかるものです。

ある程度多くの数があり、リアルな内容が感じ取れるのであれば、消費者が安心できるようにという目的で掲載している優良業者だと判断してよいでしょう。

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優良業者を選ぶことで大切な資産を守ろう

家は大切な資産であり、外壁塗装のために必要になる費用もまた、慎重に運用すべき資産です。

これらの資産を守るためには、適正価格で適切な外壁塗装を受けることが欠かせません。

残念なことに外壁塗装業界には悪徳業者が蔓延っていますが、ほんの少し知識をつけるだけでも、被害に遭うリスクを下げることができるのです。

ぜひ、本記事で解説した悪徳業者による手口を頭に入れて、悪徳業者を避けていただければと思います。

まとめ

この記事では、以下について詳しく説明しました。

◎外壁塗装の悪徳業者が使う手口【営業トーク編】

・この地域の無料点検に回っている塗装業者です(と突然訪問してくる)

・(数分~数十分の点検で)今すぐ見積もりを出せます

・今ならモニター価格です(と特別感を煽る)

・○○万円値引きします(と最初から値引きを提案してくる)

・30年はもつオリジナル塗料を使えます

・すぐに塗装しないと危険です(と恐怖心を煽る)

◎外壁塗装の悪徳業者が使う手口【契約編】

・契約を急かす

・書類の工事内容に「一式」という記載が多く、詳細な内容がわからない

・工事費用の全額前払いを要求する

・クーリングオフについて説明しない、または「できない」と説明する

・保証書を出さず、口約束で済ませようとする

◎外壁塗装の悪徳業者が使う手口【工事編】

・塗装前の下処理(高圧洗浄・ひび割れ補修・コーキング打ち替え)を手抜きする

・契約内容と異なる安価な塗料を使って差額を利益にする

・塗料を必要以上に薄めて少ない量で済ませようとする

・本来3回塗りが必要なところを2回塗りで済ませ、材料費と人件費を浮かせる

・工期を短くするために、塗料の乾燥時間を確保せず上塗りする

◎悪徳業者を避けるためのポイント

・訪問倍業者とは契約しない

・外壁塗装の基本的な知識(塗り替えのタイミング・費用相場・塗料にはいくつかの種類があり自分で選ぶべきだということ)を得ておく

・最低でも3社から相見積もりをとり、その内容を比較する

・工事や請求の内容を詳細に確認し、説明してもらう

・塗り替えが必要になるタイミングに先立ち、時間に余裕をもって主体的に業者探しをする

・適切な施工がなされているかどうか、工事現場をチェックする

◎外壁塗装業界における悪徳業者の現状

・不適切な外壁塗装工事を受けてしまったという人は多く、被害件数は増加傾向にある。

・外壁塗装では、特別な資格がなくても施工できる・消費者に知識がない・手抜きがすぐにはバレないという点で消費者を騙しやすいため、悪徳業者が蔓延っている

◎外壁塗装の優良業者を見極めるためのポイント

・地元での実績が豊富か

・塗装技能士や外装劣化診断士などの資格をもったスタッフがいるか

・工事内容を詳細に記載した書面を用いて、わかりやすく説明してくれるか

・複数のプランを提示してニーズにこたえようとしてくれるか

・工事現場の見学を積極的に受け入れてくれるか

・点検や保証などのアフターフォローが充実しているか

外壁塗装における悪徳業者被害は、決して他人事ではありません。また、悪徳業者は消費者が「知らない」ということにつけ込んできます。

だからこそ、悪徳業者の使う手口を理解しておくことが大切なのです。それによって、悪徳業者の怪しさに気付くことができるため、被害に遭うことを避けられます。

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