雨漏りの修理について総ざらい!突然のトラブルに対処する方法と知識

雨漏りの修理について総ざらい!突然のトラブルに対処する方法と知識

天気が悪くて外出も出来ない、家の中での時間を楽しもうとしていたらピチャッ ピチャッという耳慣れない音が聞こえる・・・

恐る恐る音の鳴っている方を見てみると・・・雨漏りして雫が落ちてきている!!

なんて事になったら誰でも慌ててしまいますよね。

大切な我が家を襲う雨漏りは、早急に修理しないと室内の天井や床、外壁や屋根をどんどん傷めてしまいます。そして、一見しただけではわからない建物の内部にも深刻な被害やダメージをもたらす場合もあります。

でも、いざ雨漏りを修理しようと思っても一体何から手をつけて良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか?

「雨漏りの箇所はどこ?」「そもそも雨漏りの原因は何?」
「修理はどの業者に頼んだら良いの?」「費用はどれくらいかかる?」

など不安や疑問でいっぱいになってしまいますよね。

そこで、今回は雨漏りの修理の方法や対策などについてご紹介していきます。

目次

雨漏りが起きたら最初に行うこと

雨漏りを見つけた時に最初に行うことは、室内の保護です。

雨漏りによって水滴が落ちてくる箇所にブルーシートを敷きましょう

いきなりバケツで受け止めても良いのですが、天井から勢いを持って垂れてくる水滴はバケツで受け止めた時に意外と跳ねて飛び散ります

飛び散った水滴は床を傷めてしまうだけでなく、バケツの中の水換えを行う際や室内を移動するとき等に滑って転んでしまうリスクにも繋がりますのでブルーシートを敷いて「雨漏り対応地域」を可視化しておきましょう。

また、跳ねた水滴が壁にかかってしまう場合にもブルーシートは有効です。壁紙や下地の石膏ボードは水に弱いものが多く、濡れてしまうと張替えの原因にもなりますので、しっかりと保護しましょう。

家具や家財も同様です。移動できるものは雨が止むまで、または雨漏りを修理するまで避難させておいた方が良いでしょう。動かせないものはブルーシートなどで保護してください。

その後、雨漏りの状況を写真に残しておくととても効果的です。

被害の状況は口頭での説明だけではなかなか伝わりにくいものです。そんな時に、実際の被害状況の様子が確認出来るものがあると、その後の修理がスムーズに進みます。

修理後に本当に雨漏りが止まったかどうかを検討する材料にもなりますので、ぜひ撮影しておきましょう。

雨漏りの原因は?

そもそも雨漏りの原因にはどのようなものがあるのでしょうか?

実際には、それぞれの建物の状態や状況によって、原因は様々ですので、これが全てではありませんが、代表的な原因箇所をご紹介していきます。

屋根

雨が直接当たる屋根は雨漏りの原因として一番イメージしやすいのではないでしょうか?

雨や風の影響を直接受けるので、原因となりやすい箇所です。

屋根からの雨漏りには、経年劣化が原因となるものと外的要因で破損した箇所からによるものがあります。

「棟(むね)」と呼ばれる屋根の頂点を覆う部材の止め釘などが経年により緩み、そこから雨が入ってくる場合や、屋根材が劣化して欠損するなどの場合が経年劣化によるものです。

強風や台風などで飛んできたものが屋根に当たって破損してしまう場合もあります。

窓・サッシ周辺部

窓は室内と屋外とを貫通する形で設置されているため、雨漏りの原因となりやすいです。

ドアや窓など、壁の代わりに建具を設置する箇所を「開口部」と言いますが、この開口部においてサッシと壁の取合い部分には防水のためにシーリングというゴム状の材料が充填されます。

※シーリングは「コーキング」と呼ばれる事もありますが、一般的に同じ物を指します

このシーリングが紫外線による劣化でひび割れし、雨漏りの原因となるのです。

耐用年数は5年〜10年程度となっており、劣化の状況は目視によって確認出来るので「ウチはまだ雨漏りしてないから大丈夫」と思っている方も一度確認してみてください。

何かが起こる前に対処するのが雨漏りには一番効果的です。

また、外壁と窓は原材料が違うため、熱や水などの影響の受け方も異なります。そのためひずみが生じやすく、外壁の割れの原因にもなります。窓を開け締めする際の衝撃も、各素材で吸収の仕方が異なりますから、どうしても劣化しやすい部分になってしまうのです。

ベランダ

ベランダも室内と屋外の両方に接する部分です。

物干しに使ったり、リラックススペースとして使ったりと日常生活の中で使用される事が多い箇所ですよね。

そのため、思い切った水勾配が取れずに水が溜まりやすくなってしまい、ベランダ床面の防水の劣化が進んでしまうのです。排水溝の詰まりによって工事時に想定していないルートへ水が流れて行ってしまうこともあります。

床面だけでなく、手すりの金属部からの侵入というパターンもあります。

外壁

外壁も屋根と同じく雨や風の影響をダイレクトに受ける箇所です。

また、外壁には色々な配管が通っていたり、メーター類などが取り付けられていたりする事がありますよね?こうした管や器具との取合いも雨漏りの原因となり得るのです。

外壁のパネル同士や器具類と壁材の取合い部にもシーリングが充填されますので、紫外線による劣化などによって水の通り道が出来てしまうことがあります。

原因調査は自分で出来る?出来ない?

雨漏りの原因について見てもらいましたが、実際に直面してしまった雨漏りの原因が一体どれなのかが分からなくては対処の仕方もわかりませんよね。

しかし、雨漏りの修理の中で原因特定が最も難しいポイントなのです。

雨漏りの原因調査にはどのような方法があるのでしょうか?

方法内容費用所要時間
目視による調査屋根や外壁を目視で確認し、ひび割れや欠損が無いか調査する無料~3万円程度1時間程度
散水調査原因箇所と思われる部分に散水し、室内で雨漏りが再現されるか確認する10万円~15万円程度
※別途水道代
半日~2日
サーモグラフィー水の通り道は温度が下がることを利用し、建物内部の温度を調査する20万円~30万円程度半日~2日
発光液調査紫外線ライトを照射すると発光する液体を流し、水の通り道を調査する15万円~20万円程度半日~2日

※高所での確認や作業では別途足場代や高所作業車の使用料が請求されます

雨漏りの調査は屋根の上に登る場合や専用の器具や道具を使うこともありますので、自分でやろうと思わず業者にお任せした方が良いかと思います。

専門の業者は見るポイントや原因特定に対するカンなど、経験による知識や技術をもっていますので、結果的に時間や工事費の節約にも繋がります。業者に依頼すると報告書を作成してくれるので、我が家の劣化具合が手元に資料として残るのも今後の対策に繋がるメリットの一つです。

部位別の修理方法と費用相場

原因が判明したらいよいよ雨漏りの修理です。

悩ましい雨漏りから解放されるまでもう一息ですね。

雨漏りの修理もDIYでやろうとせず、専門の業者に任せることをオススメします。

  • 止め付けのために打った釘が新たな水の入り口になる
  • 不必要なシーリングによって水の通り道が変わってしまいこれまでの調査が無駄になる
  • 高所からの落下・転落
  • 雨漏りが原因の漏電により感電してしまう

など重大なリスクに繋がる可能性もありますので、プロにしっかりと修理してもらうようにしてください。

屋根の修理

屋根の修理では、原因となるのが経年劣化や外部からの影響による破損であることが多いので、屋根全体に修理が及ぶケースが多いです。屋根材の下地となっている部分や防水材が欠損して雨漏りの原因となっている場合では、それらの交換を行う事になります。

棟部分の板金や瓦のみを交換する場合や、劣化や破損の具合によっては屋根全体を葺き替える必要も出てきます。

屋根の修理方法費用相場
シーリング補修5万円~15万円
棟板金のみの交換5万円~20万円
棟部分の漆喰補修(瓦屋根の場合)15万円~30万円
下地補修・張替え10万円~30万円
屋根葺き替え60万円~200万円
その他必要になる工事項目
足場代1万円~20万円
室内天井張替え5万円~20万円

窓廻りの修理

窓廻りの修理で主になるのはシーリングの打ち替えです。

劣化したシーリングを撤去し、新たに充填する作業で一日に複数箇所を施工する事が出来ますが、高所の場合は足場や作業車が必要になります。

また、被害が大きく室内壁の内部まで被害が及んでいるケースでは壁そのものの張替えが必要になってしまう場合もありますのでご注意ください。

窓廻りの修理方法費用相場
シーリング補修1mあたり700円~1200円
サッシ交換10万円~30万円
室内壁張替え15万円~30万円

ベランダの修理

ベランダの床面防水が剥がれてしまった、切れてしまったという場合は防水処理をやり直す必要があります。

手すり部分はシーリングの補修や、劣化や損傷が激しい場合は手すり自体の交換が必要になります。物がぶつかって手すりが変形してしまった場合などですね。

ベランダの修理方法費用相場
シーリング補修1mあたり700円~1200円
手すりの交換5万円~10万円
床面防水改修10万円~30万円

外壁の修理

外壁は目地や取り付けられているメーター類等の器具部分のシーリングの劣化が原因である場合が多いです。足場をかける必要がある場合では、一部分だけを打ち替えるのではなく、壁一面や外壁の四面全て改修してしまう場合もあります。紫外線による劣化は局所的ではなく壁全体に影響を及ぼすので、雨漏りが始まる前に対処してしまうという発想です。

外壁の修理方法費用相場
シーリング補修1mあたり700円~1200円
外壁破損補修(一部分)5万円~20万円
外壁張り替え100万円~200万円

※上記の各項目の費用欄に記載した金額はあくまでも目安であり、実際の被害の状況や程度によって変化しますのでご留意ください。

工事を始める前には必ず見積書を出してもらって金額を確認してください。

雨漏りは保険の対象になる?

ご紹介してきた通り、雨漏りの修理は費用が高額になってしまう場合も少なくありません。

これは部材そのものを交換する必要が生じた場合や、防水自体のやり直しなど根本的な解決を図る必要があるケースが多く、更にそれに付随する外部足場代などが必要になってしまうためです。

しかし、費用が嵩むからと言って雨漏りを放置しておくわけにもいきません。

雨が降るたびに建物内部にダメージを加えてしまうことで、より大きな改修や修理をせざるを得なくなるケースもあるのです。

もしご自宅で火災保険に加入していれば、そんなピンチの状況を助けてくれる可能性があります。火災保険の内容にもよるので必ず審査が通るわけではありませんが、「風災」や「雪災」など自然災害に対応してくれる内容の保険であれば補償してくれる可能性があるので、この記事を機に一度保険証券を確認してみてください。

近年、雨漏りを火災保険で直せるという謳い文句で近づいてくる工事業者が増えています。雨漏り修理への保険の適用においては「必ず」という事はありませんので、そういった強いワードで工事を持ちかけてくる業者の訪問などにはご注意ください

雨漏りを未然に防ぐための対処方法

ここまで雨漏りの修理についてお話してきましたが、雨漏りを未然に防ぐにはどうしたら良いのでしょうか?

台風などの自然災害による破損はなかなか防ぐのが難しいですが、経年劣化による損傷は定期的な点検とメンテナンスでリスクを軽減出来ます。

点検箇所耐用年数メンテナンス内容
屋根10年塗装の改修
外壁10年塗装の改修
窓廻り5年~10年シーリング、パッキン補修
ベランダ10~15年床面防水の改修

屋根や外壁は定期的な塗装の改修が効果的です。雨風や紫外線といった外部からの刺激を常に受けているため、劣化が進みやすく雨漏りの原因になりやすいです。

外壁材が水を吸ってしまうような状況では外壁材のひび割れの原因にもなりますので、塗膜を貼り直して防水性を高めましょう。

窓廻りは壁との取り合い部のシーリングや、窓枠についているパッキンの劣化から室内に水を呼び込んでしまうので損傷具合によって更新するのが良いでしょう。

ベランダの防水はトップコートと呼ばれる表面の塗膜を5年程度で更新すると長持ちします。ですが15年程度経過したらその下の防水層の改修も行いましょう。ベランダは物干しなどで使ったりするので、傷みやすい箇所でもあります。

トップコートの更新だけであれば費用も安く抑えられるはずです。

まとめ

今回の記事では、雨漏りが起こった時の修理の方法や対処法をご紹介してきました。

改めておさらいしてみましょう。

  • 雨漏りが発生してしまったら、まず室内の保護を行い、状況写真を撮影する
  • 雨漏りの原因は経年による劣化と外的な要因による破損とがある
  • 原因調査や修理は危険を伴うので専門の業者に任せる
  • 雨漏りの修理には火災保険が適用されるケースもある
  • 雨漏りを未然に防ぐためには定期的なメンテナンスが効果的である

雨漏りは建物自体にダメージを与えてしまうので、適切かつ迅速な修理が必要です。

この記事がその際の参考になれば幸いです。

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